同朋選書
悪人が善人となり、愚者が賢者となって修行に耐えて仏陀のさとりを得るとされてきた従来の仏教観に対して、生死罪濁の凡夫がさとりを得る。それも「ただ念仏」によるとの新しい仏教観が法然、親鸞によって打ち建てられた。しかし、そのことがどうして可能なのか、この課題に取り組んだものが親鸞の『教行信証』である。
<内容>二つの仏教観/大乗という事柄が現実となる/本願建立の理由は我にあり/現代の我々にとっての念仏往生の意義/同一なるものを見出す/念仏によって自分自身が成立する