真宗文庫
宗祖親鸞聖人がその一生をかけて推敲を重ねた主著であり、浄土真宗の根本聖典である『顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)。 本書は、その一字一句の解説書ではなく、『教行信証』の次第に沿いながら、宗祖が後の私たちにまで伝えようとされた真実の教えを、著者自身の体験や生活の中で感じられた事柄をまじえてやさしくたずねていく。 真理が事実としてはたらく“ほんとうの教え”から、私たちの生き方を問い直す一冊。
【目次】 真実の教 一 真宗の教えとは/二 思いに生きる私たち/三 「さわり」によって破られる思い/四 いのちの営み/五 動詞で表現される世界/六 亡くなって初めて遇える親/七 喜んで死んでいける道/八 「現世の利益」と「現生の利益」 真実の行 一 教信行証ではなく教行信証/二 「名利」という問題/三 念仏の歴史/四 願も行もそなわっている名/五 名にまでなった仏さま/六 人間としての感覚/七 感覚を呼び覚ます念仏 真実の信 一 信心とは/二 信心、それこそが救い/三 法を閉ざし、自分を見失う/四 なんでもわかっているつもりの私/五 「いのち」を見失った現代/六 如来の心を生きる生活 真実の証 一 未来によって人は決まる/二 私のあり方を悲しむ如来/三 救われるはずない私・すでに救われている私/四 人間が人間として生きる道/五 「真智は無知なり」/六 分別に生きる私/七 喜・悟・信の三忍/八 確かな世界をたまわる 真実の浄土(真仏土) 一 仏教は来世を問わない/二 願いの世界/三 いのちで感じ取る世界/四 共に生きる/五 穢土を離れて浄土はない/六 はたらきかけてくる浄土 方便の浄土(化身土) 一 方便とは/二 仮令の誓願と果遂の誓い/三 自分のあり方を知る/四 濁世の群萌としての私/五 自己満足の世界/六 悲しむ心を呼び覚ます ※本書は、真宗大谷派小松教区出版委員会が「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要」の記念事業として二〇一一年に発行した宮城顗氏著の『私にわかる浄土真宗 真実の教・行・信・証』を文庫化したものです。