念仏の教えを聞く者に、どのような共同体が開かれるのか。親鸞聖人がつくり、蓮如上人が真宗門徒のお勤めとして定着させた「正信偈」をとおして、浄土真宗の歴史をひもとき、真宗における僧(さん)伽(が)とは何かを問う一冊。
真宗の念仏の教えを聞く者に、どのような共同体、同朋僧伽が開かれるのでしょうか。本書は、親鸞聖人がつくり、蓮如上人が真宗門徒のお勤めとして定着させた仏法讃歎の歌、「正信偈」をとおして、浄土真宗の歴史をひもとき、真宗における僧(さん)伽(が)とは何かを問う一冊です。 ◆目次 第一章 正信の伝統 僧伽/「正信偈」の題目/僧伽の歌/東国と在地信仰/伝統の正信/仏法再興の志願/真宗への原点回帰/信仰告白共同体/われらの地平 第二章 帰敬 偈頌の歴史的伝統/「正信偈」の組織/帰依三宝/三帰依文/親鸞の名号釈/南無阿弥陀仏の誕生/言葉となった仏/僧伽を開く言葉/いのちに帰る 第三章 阿弥陀仏とその浄土 海と群萌/二つの海/真仏土の成就/僧伽の現前/光明と名号/聖徳太子/浄土の世界/出世本懐/僧伽的人間 第四章 親鸞の仏教史観 七高僧/親鸞の歴史意識―末法の自覚/末法の内在化/歴史/念仏の僧伽の歴史的展開/曽我量深の仏教史観―『七祖教系論』/『親鸞の仏教史観』/歴史をどう考えるか 第五章 僧伽 世俗的価値優先の時代/相対的価値観から絶対的価値観へ/親鸞における伝統への帰入/歴史への発遣/『選択集』と親鸞聖人/浄土真宗物語としての「正信偈」/僧伽的人間の誕生/僧伽の祈り 「正信念仏偈」全文・書き下し あとがき