近代真宗教学の巨人、曽我量深。 一八七五(明治八)年、真宗大谷派の寺院に生まれ、激動の時代を生き、一九七一(昭和四十六)年に九十六年の生涯を閉じた。その生涯を通して、伝承されてきた真宗の教法を独創的に考究し、現代の大谷派へ深い感化を与え、さらに教団外の多くの思想家・哲学者にも影響を与えた。ただ、その独創性ゆえに時代状況の中でさまざまな問題が勃発し、教団内でも軋轢が生じた。 本書は曽我の生涯と思想を尋ね直し、その思想的課題や時代状況との関わり、そして生涯を貫いた志願を探究したものである。 曽我量深に初めて触れる人も、これまで親しんできた方も、その思想に出会い直すことのできる一冊。